大腸内視鏡検査

当院では、消化器内視鏡専門医による内視鏡検査を実施しております。

大腸がんの早期発見のためには、定期的な大腸内視鏡検査は非常に重要です。

地域の皆さまにとって大腸内視鏡検査がより身近で、簡単に受けることができるように努めてまいります。

大腸内視鏡検査とは?

大腸内視鏡検査では、先端にカメラのついた内視鏡を肛門から挿入し、大腸、及び小腸の一部を観察します。

検査の前日から食事制限をしていただき、下剤や洗腸剤を飲んで大腸の中を綺麗にして検査を受ける準備が必要です。

ポリープやがんなどが疑わしい病変が見つかった場合は細胞を採取したりポリープを切除することも可能です。


以下の症状がある方は大腸内視鏡検査を受けましょう!

  • 下痢になりやすい
  • 便秘になりやすい
  • 血便があった
  • お腹がチクチクと痛む
  • ストレスを感じると腹痛が起こる
  • 腹部が常に張っている
  • おならがたくさん出る
  • 急に体重減少した
  • 便潜血で陽性が出た


大腸内視鏡検査の流れ

① まずは、当院へご来院ください。

ご来院いただき診察を行います。

患者様のお話を伺いながら、検査の必要性・適切な検査時期を検討致します。

また、検査の説明(内服薬の調整)などを行います。


② 検査前日

検査前日の夕食は午後8時までにお済ませください。

どうしてもお仕事などで午後8時までのお食事が無理な場合は午後10時までに消化の良いものを少量食べるようにしてください。

※検査前日の就寝前に下剤(錠剤)を服用します。


③ 検査当日

検査当日の検査開始4~6時間前より大腸をきれいにするために、1~2リットルほどの下剤を数回に分けて飲みます。

数回の排便を経て、便が透明になりましたらご来院いただきます。

来院後、大腸内視鏡検査を開始します。

検査時間は10~20分程度となります。

検査当日は検査終了後、院内で休息を取っていただきます。

その後、簡単な結果説明と注意事項をご案内して終了となります。


④ 検査後日

後日画像をお見せしながら結果説明を行います。

(検査同日は鎮静剤使用による眠気が残るため説明は控えております)


大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でわかる主な疾患と特徴

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)では、以下のような疾患を発見できます。

大腸ポリープ(大腸腺腫)

大腸ポリープとはどのような疾患か?

大腸ポリープは大腸の内壁にできるイボ状の隆起で、多くは良性ですが、放置すると一部ががん化する可能性があります。

この大腸ポリープは早期の段階で切除することで大腸がんへの進行を予防することができます。

大腸内視鏡検査中に必要があれば切除可能です。

初期症状

ほとんど無症状ですが、まれに血便や便通の変化(細い便・便秘と下痢の繰り返し)が起こることがあります。

検査が必要な人

40歳以上で健診未受診の方
家族に大腸ポリープやがんの既往歴がある方
便潜血検査で陽性となった方。


上記以外にも、おなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

大腸がん

大腸がんとはどのような疾患か?

大腸がんとは大腸粘膜から発生する悪性腫瘍のこと。

周囲の組織に浸潤や転移を起こし進行の度合いによりステージⅠ~Ⅳまであります。

 

大腸がんは、はじめポリープの形で出現し、その時点で切除してしまえば良いのですが、放っておくとその一部にがん細胞が混ざり「大腸がん」となります。

 

早期発見なら内視鏡で切除可能です。進行するまで自覚症状に乏しいですが、進行すると他の臓器への転移リスクが高まります。



初期症状

血便(痔と間違いやすい)
便が細くなる・急な便秘/下痢
原因不明の体重減少や貧血

検査が必要な人

50歳以上の方
血便が2週間以上続く方
家族に大腸がん歴がある方


上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とはどのような疾患か?

潰瘍性大腸炎は免疫異常による大腸の慢性炎症で、びらんや潰瘍ができ、下痢や下血・腹痛などの症状が慢性的に続きます。

 

症状が回復する寛解期と再び症状があらわれる再燃を繰り返すという特徴があり治療をしないと良好なコントロールができません。

 

炎症を起こしている再燃の時期が長く大腸粘膜のダメージが続くと大腸がんの発症リスクが上がるため定期的な検査が必要です。

 

現在の所、病気の原因がはっきりとわかっておらず、国の難病指定である「特定疾患」となっています。

初期症状

粘血便(血液と粘液が混じった便)
持続的な下痢や腹痛
発熱や倦怠感

検査が必要な人

2030代で下痢が1ヶ月以上続く方
血便を伴う腹痛がある方
体重が急激に減少した方


上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

大腸憩室症

大腸憩室症とはどのような疾患か?

大腸憩室症とは大腸の腸壁にできる袋状のくぼみ。

大腸の一部が袋状になり外側に飛び出した状態になります。炎症(憩室炎)を起こすと腹痛や出血を引き起こします。

 

原因は食物繊維不足、肉食の増加や運動不足といった生活習慣の要因のほか、加齢による腸管壁の弾力性の低下により起こるとされています。

 

この憩室があるとポリープもできやすいといった傾向もあり定期的な大腸内視鏡での検査が必要です。

初期症状

初期には無症状であることが多いですが、炎症時は:
左下腹部の激痛
発熱
血便

が、起きることがあります。

検査が必要な人

慢性便秘症の方
高脂肪食中心の食生活の方
過去に憩室炎を指摘された方

上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

虚血性大腸炎

虚血性大腸炎とはどのような疾患か?

虚血性大腸炎とは腸への血液の循環が悪くなることで粘膜への血の巡りが悪くなり(虚血)炎症や潰瘍を生じる疾患で、突然の強い腹痛と下痢・下血を伴う急性循環器障害です。

 

もともと動脈硬化のあるところに便秘が重なって発症すると言われています。

高齢者に多い疾患ですが、便秘がひどい若い女性でも発症することがあります。

 

一過性、狭窄型、壊死型がありますが、壊死型以外は経過観察にて軽快することが多いです。



初期症状

突然の腹痛(特に食後)
鮮血便
嘔吐や腹部膨満感

検査が必要な人

高血圧・糖尿病がある方
急な腹痛と血便が出た方
便秘が慢性化している方


上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とはどのような疾患か?

過敏性腸症候群とは大腸内視鏡検査では異常が見られないが、腹痛や腹部膨満感、下痢や便秘を繰り返し持続する機能性疾患です。

日本人の10~15%にこの疾患がみられるとされています。

 

ストレスや不安により症状が誘発されることもあり日頃の環境の改善も必要となってきます。

初期症状

下痢型:突然の便意を伴う腹痛(通勤中や会議前などストレス時に増悪)
便秘型:兎糞状の硬い便と排便困難感
混合型:下痢と便秘を交互に繰り返す

その他:腹部膨満感・ガス過多・粘液便

検査が必要な人

 血便(痔と区別できない場合を含む)
 発熱・体重減少(半年で3kg以上)
 夜間の痛みで目が覚める
 家族に大腸がん/炎症性腸疾患の既往歴がある人
 50歳以上で初発した便通異常


上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

クローン病

クローン病とはどのような疾患か?

クローン病は、口腔から肛門までの全消化管に炎症が起こる慢性疾患で、1020代の若年層に多く発症します。

炎症性腸疾患(IBD)の一種であり、寛解と再燃を繰り返す特徴があります。

初期症状

「腹痛・下痢・体重減少」の3大症状

 持続的な腹痛:特に食後や排便前に悪化

 慢性下痢:1日数回の軟便~水様便(血便を伴う場合あり)

 体重減少:栄養吸収障害や食事制限による

 その他:微熱、倦怠感、肛門病変(痔瘻・膿瘍)

検査が必要な人

以下の特徴に当てはまる場合は精密検査をおすすめします
 2週間以上続く原因不明の下痢
 食事と連動する腹痛(特に右下腹部)
 半年で5kg以上の体重減少
 1030代で発症した消化器症状
 家族に炎症性腸疾患の既往歴がある人


上記以外にもおなかの不調にご不安がある方はご相談ください。

☆☆☆検査が必要な方の共通ポイント☆☆☆

便潜血検査で陽性の方
血便・下痢・便秘が2週間以上続く方
半年で5kg以上の体重減少がある方
家族に大腸疾患歴がある方

当クリニックの検査の特徴

希望する方には鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査
ポリープはその場で切除可能
検査後は生活改善アドバイスを実施

 

早期発見が治療の鍵です。気になる症状があればお早めにご相談ください。