突然の腹痛・吐き気・下痢、我慢していませんか?「急にお腹が痛くなった」「吐き気や下痢が止まらない」「食べたものにあたったかも…?」そんなときに疑われるのが、急性胃腸炎や感染性腸炎です。多くは自然に回復しますが、脱水や高熱、体力の消耗を引き起こすこともあり、早めの対応が大切です。
急性胃腸炎とは、胃や腸に一時的な炎症が起きる病気で、以下のような症状を引き起こします。
・腹痛
・吐き気・嘔吐
・下痢
・発熱
・食欲不振
・脱水症状(口の渇き、尿の減少、だるさ など)
急性胃腸炎がおきる原因の多くはウィルスや細菌による感染性腸炎です。その他には暴飲暴食やストレスが続いていることによる非感染性の胃腸炎もあります。
ウイルス性胃腸炎は、ウイルスによって引き起こされる胃腸の感染症で、「お腹のかぜ」とも呼ばれることがあります。突然の吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの症状が出て、体力を大きく消耗してしまうこともあります。特に冬の時期に流行しやすく、学校や職場、ご家庭内でもうつりやすいため、正しい知識と対処が大切です。
原因となる主なウィルスには以下のようなものがあります
ノロウイルス:感染力が非常に強く、少量でも感染。潜伏期間は1~2日程度。
ロタウイルス:主に乳幼児に多い。重症化しやすく、白っぽい下痢が特徴。
アデノウイルス・アストロウイルスなど:小児に多く見られますが、大人も感染します。
【感染経路と予防法】
ウイルス性胃腸炎は非常に感染力が強く、感染者の便や吐しゃ物を通じて手や口からうつります(経口感染)。汚染された食べ物・飲み物を通じてうつる場合(いわゆる食中毒)、趣旨を介した接触感染、吐しゃ物の処理時に飛ぶ飛沫や空気感染(主にノロウイルス)が主な感染経路となります。
感染の予防にはこまめな手洗い・うがい、調理器具の消毒、感染者の吐しゃ物等の適切な処理(使い捨て手袋やマスクを使用するなど)を行う事です。
ウィルス性胃腸炎は症状が軽い場合は自然に治ることもありますが、下痢・嘔吐が半日以上続く、水分が取れずに脱水が心配、高熱や血便があるなどの場合は医療機関の受診をおすすめします。
細菌性胃腸炎は、細菌が体内に入り、胃や腸に炎症を起こす病気です。主に汚染された食べ物や水、加熱不十分な食品などが原因となり、夏場を中心に年間を通して発生しています。発症すると、強い腹痛・水のような下痢・発熱・吐き気などがみられ、自然に治るものもありますが、重症化することもあるため注意が必要です。
原因となる主な細菌には以下のようなものがあります
カンピロバクター:最も多い原因菌。加熱不十分な鶏肉などから感染。
サルモネラ菌:生卵や加熱不足の肉が原因に。発熱や嘔吐を伴うことが多い。
腸管出血性大腸菌(O157など):重症化しやすく、血便や合併症を起こすことも。
腸炎ビブリオ:魚介類に多く、特に夏に多発。
黄色ブドウ球菌・セレウス菌:食品中で産生された毒素によって発症。早い発症が特徴。
主な症状は突然の激しい腹痛、水のような下痢、時に血便を伴う事も、発熱、吐き気・嘔吐、全身のだるさ、脱水症状があります。
【感染経路と予防法】
加熱不十分な肉や魚、特に鶏肉や貝類の摂取、手作り料理の常温保存、調理器具や手指の衛生不足が主な感染のきっかけとなります。