花粉症とは、スギやヒノキなど植物が放出する花粉に対して、体の免疫システムが過剰に反応して起こるアレルギー性疾患です。症状としてはくしゃみ・鼻水・鼻づまりといった鼻の症状、涙目・目のかゆみ、のどの痒みが代表的ですが、倦怠感や集中力の低下も花粉症が原因で起きることがあります。
日本では主に春のスギ花粉、初夏のヒノキ花粉ですが、1年を通して花粉は飛んでいます。
スギ(2月~4月)
ヒノキ(3月~4月)
イネ科(5月~10月)
ハンノキ(1月~4月)
シラカンバ(3月~6月)
ブタクサ(8月~9月)
ヨモギ(9月~10月)
カナムグラ(8月~10月)
花粉症の治療は薬を服用することによる対症療法が基本です。症状により点眼薬、点鼻薬などの外用薬も使用します。
≪抗ヒスタミン薬≫花粉によるアレルギー症状治療の基本となるのが抗ヒスタミン薬の内服です。アレルギー反応を起こす原因物質であるヒスタミンの働きをブロックすることでくしゃみや鼻水・鼻づまりといった症状を抑えます。
≪抗ロイコトリエン薬≫抗ヒスタミン薬と同様にアレルギー症状を抑えるお薬ですが、鼻詰まりや軌道の炎症など鼻の奥から肺にかけての炎症に効果があります。
≪点眼薬≫抗アレルギーの点眼薬は目のかゆみに効果的です。
≪点鼻薬≫鼻の粘膜に直接噴霧する点鼻薬。抗アレルギー薬の点鼻薬や抗炎症作用の強いステロイドの点鼻薬があります。ステロイドの点鼻は鼻に直接噴霧して使用しますが、目の症状にも効果があると言われています。
血液中のIgEという物質を調べる検査で花粉症を引き起こす原因(スギやヒノキなど)を検査することができます。花粉以外にもダニやほこりなどのアレルギーの原因(アレルゲン)を検査することができます。
花粉症の予防には花粉との接触を避けることが第一です。外出時はマスクや保護メガネを装着する、帰宅したら衣服や髪についた花粉を払い落とすなど。また室内では空気清浄機を使用したりこまめに掃除することも有効です。
毎年花粉症が発症することがわかっている場合、花粉シーズンの少し前から抗アレルギー薬を服用開始することで症状が軽減されると言われています。予防策として早めの受診を心がけてください。